わたしの妻との交際のきっかけはマッチングアプリでした。結婚後はまわりから出会いや馴れ初めについて聞かれるので、マッチングアプリについて説明する機会が増えました。多くの人がとても興味津々で話を聞いてくるトピックなのでブログ記事に書くことにしました。アプリの基本的な仕組みから、わたしたちの体験談、アプリで婚活している人へのアドバイスなどをお伝えします。
Aki(筆者)
1989年生まれ
仕事:ブロガー
趣味:カメラ
好きな食べ物:かぼちゃの天ぷら
ぽんちゃん(妻)
1989年生まれ
仕事:デザイナー
趣味:料理
好きな食べ物:おもち、チーズ
マッチングアプリを始めたきっかけ
わたしがマッチングアプリを使い始めたきっかけは、コロナ禍による社会変化でした。人との交流の場が激減したことで、日常生活の出会いの場がほぼなくなりました。これまではふつうに生活を送るなかで良い人との出会いがあればいいと思っていましたが、コロナによってそれまであったような「自然な出会いの場」はほぼなくなったように感じました。
このままではヤバいと危機感をもってマッチングアプリを使ってみることにしました。マッチングアプリの利用者ならば出会いに積極的な人たちなので、あまり過度に気をつかわずに交流できるだろうと思ったからです。少なくとも「時勢的にお茶に誘ったら失礼かな…?」なんて心配はしなくて済みます。
マッチングアプリは出会いのSNS
利用を決心したものの、アプリを始めるときは不安がありました。どんな人がアプリをつかっているのか。本当にアプリで出会いがあるのだろうか。うまくコミュニケーションがとれるだろうか。いろいろな不安を抱きながら始めてみたアプリでしたが、実際に使ってみると心配は杞憂でした。始めてみると最初のほうはむしろ刺激的で楽しく感じることが多かったです。
マッチングアプリでは、ユーザーがそれぞれのプロフィールを見て「いいね」を送り、お互いが「いいね」をしたらメッセージのやりとりができるようになります。テキストだけではなく、通話やビデオ通話する機能もあります。アプリによって少しずつ仕組みは異なるものの、基本的にはお互いのプロフィールを知れてチャットでコミュニケーションできるのがマッチングアプリです。
つまりマッチングアプリは良くも悪くも普通の SNS です。X や Instagram、Facebook などの SNS 利用経験があれば特に苦労なく始められると思います。あるいは LINE で人と会話するというごく一般の社会経験や多少の恋愛経験があればなにも恐れる必要はありません。ふつうに交流を楽しめます。
もっと言えば、マッチングアプリはあくまで出会いのきっかけのツールです。知り合って仲良くなりお互いの連絡先を交換すれば、あとはもうアプリを使うこともありません。ふつうの交友関係、ふつうの恋愛関係になるだけです。もちろん連絡をとりたくなければスルーしたり、ブロックをすることもできます。
マッチングアプリは昔で言うようないわゆる「出会い系」とは異なるものです。恋愛交際や結婚を目的とした真剣な出会いの場なので、利用者は登録時に身分証を提出するルールになっていて、利用者の透明性と安全性が重んじられています。またアプリを運営する企業は利用者から料金をもらっているので、素敵で安全な出会いの場が整うように悪質なユーザーを排除するように常に管理しています。
もちろんそれでも中には邪な目的で利用している人もいるはずなので、人と会うときは慎重にふるまうべきですが、それは一般社会と同じです。マッチングアプリを特別視して過度に怖がる必要はありません。
マッチングアプリを始めて気づいた事実
アプリを利用してみて知りましたが世の中にはたくさんの人が出会いを求めています。世の中に異性は星の数ほどいるとよく言いますが、アプリにも多すぎるほどの男性・女性が登録していて、そこから自分と相性の良さそうな魅力的な人を探すことになります。
プロフィールを見れば顔写真のほか、年齢や身長、おおよその居住地(都道府県や市など)が分かりますし、趣味や仕事、年収など、様々な情報を知ることができます。それらの情報を手がかりにパートナーを探します。どの程度の情報を公開するかはユーザーが任意で決められますが、基本的には情報が詳しいほどマッチングはしやすいです。人柄や個性が見えたほうが親しくなる可能性が上がります。
プロフィールを見ると多様な女性がいることが分かりました。多いのは保育や医療の業界で働く人ですが、その中でも様々な職種がありますし、経営者や芸術家、研究者など、多様な人と知り合うことができます。普段の生活ではなかなか出会えいないような人たちと話をすることができました。たくさんの人とメッセージのやりとりをして、そのうち数名の人とは実際に会って話をしました。
わたしがアプリを通じて会って話した人はみんなすごく良いひとたちでした。同年代のアラサーの人が多かったせいか、落ち着いていてちゃんとしている人が多かったです。みなさん日々働き、趣味に励んでいて、それでいて恋愛や結婚に苦労しています。
アプリで婚活してみて気づいたのですが、きちんと生活している素敵な人でもパートナーがいなくて、恋活・婚活をしています。アプリを始める前は魅力的な人はすでにパートナーがいるはずだから、アプリではあまり良い出会いには恵まれないのではないかと心配していました。しかし、世の中には単純に運やタイミングに恵まれていなくて苦労しているだけの人も多いです。長く付き合っていた人と結婚観の相違のすえに破局してマッチングアプリを使い始めたという人もたくさんいました。自分が思っているよりも素敵な出会いのチャンスが世の中にたくさんあるのだと気づきました。
魅力的な女性に会って話ができたのは楽しかったですし、恋愛や結婚を目指すと自然と深い話になるので、自分の人生を見つめなおす良い経験になりました。仕事のこと、趣味のこと、好きなこと、嫌いなこと、家族のこと、学生時代のこと、いま頑張っていること。たくさんの話をしました。目の前にいる人が恋や結婚に向けて日々努力しているのだと思うと、自分ももっと頑張ろうと思えました。
一方で、マッチングアプリでは苦労や不快なこともあります。ネットでアプリの体験談を見てみると、悩んだりつらい目にあったりした体験談が山ほどあります。SNSで婚活アカウントの投稿を見れば、気の毒になるようなエピソードを数多く目にします。わたしもアプリでチャットをしていてデリカシーのない発言をされたり、不快な思いをすることが何度かありました。人と人の交流の場なのでコミュニケーションのなかで傷つくのはある程度覚悟しなければならないと思います。アプリや人生の経験を積めば悪い人とのマッチングはしだいに避けることができるようになるので、恋愛や結婚を目指すのであればちょっとずつ苦難を乗り越えて成長してきましょう。
妻との出会い
わたしはマッチングアプリで知り合った女性と結婚しました。せっかくなので妻とアプリで知り合ったときのエピソードを少しだけ紹介します。
妻と出会ったのは、わたしがしばらく休止していたアプリの活動を久々に再開したタイミングでした。婚活は初対面の人との会話を繰り返すことになるのですごくエネルギーを消費します。個人的には長期間にわたってアプリを続けるのは難しくてしばらくお休みしていました。
久々に再開してもいいかなと思って、アプリを開いてユーザーのプロフィールを眺めます。期間が空くと以前検索したときには見たことのないような人がたくさん出てきます。その中のひとりに素敵だなと思って「いいね」をすると、その日のうちに相手からも「いいね」が返ってきてマッチングが成立。さっそくメッセージが送られてきました。
わたしの場合どちらかというと自分からメッセージを送って積極的にアプローチしないといけないことが多かったので、相手から先にメッセージをもらえたのが嬉しかったことを覚えています。彼女はプロフィールには顔写真を載せていなかったので、マッチングしてからメッセージで自分の写真を送ってくれました。写真を見るときれいな人だったので、ちょっと緊張しながらチャットのやりとりを始めました。
まずは相手のプロフィールを参考にしながら、お互いが興味を持てそうなことを話します。ふたりとも食器が好きだったり、食事に関心がある食いしん坊だったのですぐに打ち解けて仲良くなりました。彼女のデザイナーの仕事の話もおもしろくて興味津々で聞きました。チャットのほかに通話もして、それからカフェで会う約束をしました。
初めて彼女に会うと写真で見るよりかわいらしくてきれいな人です。一般的にはたぶん写真のほうが写りが良くて実際に会うとがっかりするみたいなパターンが多いと思うのですが完全に逆でした。しかもお土産まで持ってやってきてくれました。旅行の話題になったときにわたしが台湾に行ってみたいと言った話を覚えてくれていて、台湾のパイナップルケーキを持ってきてくれたのです。自分の話したことにきちんと興味を持ってくれていてそんな気配りまでしてくれたのがとても嬉しかったです。

その後デートを重ねて交際開始。付き合い始めたころに彼女の家で一緒にマッチングアプリの退会手続きをしました。アプリで彼女とやりとりしたのはごくわずかの期間でしたが、知り合ったばかりの敬語で話していた頃を懐かしみながら思い出を話すのが楽しかったです。付き合い始めてからは日常的にお互いの家を行き来するようになり、一緒にいろんなところへ出かけました。プロポーズをして、同棲を始めて、そして結婚しました。
マッチングアプリの良いところ
マッチングアプリは苦労もありましたがやって良かったです。本当に良かった。なにより妻と出会うことができたのですから。必ずしも結婚に行きつけるかは分かりませんが、マッチングアプリには様々な魅力があると思うので良いところを列挙してみます。
出会いの数が多い
第一に出会いの数が多いです。アプリを利用すればふつうに生活していたら出会えないであろう人たちと知り合えます。世の中にはたくさんの人がいて、恋愛相手や結婚相手を探しています。都会なら多すぎて困るくらいの数です。恋愛や結婚は相性が大切なので、いろんな人に出会える可能性があるのは非常に重要です。
効率が良い
第二に効率が良いです。恋愛に効率がどうこうと言うと良い顔をしない人がいるかもしれませんが、マッチングアプリは普段の生活のなかで出会いを待つより圧倒的に効率よくパートナーを探すことができます。前提としてマッチングアプリの利用者は恋人や結婚相手を探しているので話が早いです。わざわざ「彼氏・彼女がいるのかどうか」を探る必要もありません。
プロフィールの情報から自分の好みの条件に合う人だけを絞って検索できるので、ぜんぜん興味のない人と交流するような無駄がないです。友だちの紹介や合コンなどの出会いだと、実際に会ってしばらく話をしないとその人との相性がいいのかどうかわかりませんが、アプリならプロフィールを読むだけで簡単に絞り込むことができます。
ミスマッチを防ぎやすい
第三に大事な価値観のミスマッチを防ぎやすいです。マッチングアプリではあらかじめプロフィールにさまざまな情報を表示することができます。例えば結婚願望があるかどうか。より細かく言えば「すぐに結婚したい」、「良い人がいればゆくゆくは結婚したい」などの結婚までの意思の強さを表すことができます。「子どもが欲しいかどうか」のようなリアルだとなかなか踏み込んでは聞きづらいようなことも、アプリなら会う前から一目瞭然です。
仲良くなって付き合うようになってから結婚観や子どもの希望の有無ですれ違うのは大変です。別れるのにも精神を消耗しますし、過ぎ去った時間はもう戻ってきません。大事な価値観は最初から合っていたほうが絶対に良いです。プロフィール欄にはそのほかにも、身長や仕事、年収、学歴、話せる言語、たばこを吸うかどうか、飲酒の程度なども記入することができます。マッチングアプリのプロフィール機能は婚活において非常に便利で役立ちます。
恋愛初心者にやさしい
第三に恋愛初心者や、恋愛から離れていた人にとって恋愛の練習の場になります。アプリならいきなり会って話す必要がなくて、メッセージでのやりとりが基本になるのでマイペースに人と交流することができます。実際に人と会うとなると緊張もするし、時間や場所も拘束されてしまい、その場に行くだけでお金もかかります。それと比べるとアプリはスタートがチャットなのでかなりハードルが低いです。自分の時間があるときに落ち着いて文章を考えて送信すれば良いだけです。恋愛初心者にもおすすめです。
マッチングアプリを使う人へのエールとアドバイス
マッチングアプリを使っているけれどなかなか良い相手に出会えなくて苦労しているという話もよく聞きます。アプリを卒業した立場から、現ユーザーの方へ向けて応援の気持ちを込めてささやかなアドバイスを書いておこうと思います。
とにかくプロフィールが大事
マッチングアプリを利用するうえで、プロフィールは最重要です。会いたいと思えるかどうかはまずプロフィールで判断することになります。わたしがマッチングアプリで会った人は、妻を含めて多くの人が「プロフィールが良かった」とほめてくれました。言葉遣いがきれいだと言ってくれた人も多かったです。妻はわたしのプロフィールを何度も何度も読み返してくれたそうです。
プロフィールが大事といっても、別に見栄を張る必要はありません。自分がどんな人間なのかを誠実に伝えれば良いだけです。個性がわかるプロフィールが良いプロフィールです。よくある残念なプロフィールはほとんど定型文でその人の人柄や個性がまったく感じられないものです。プロフィールが雑だと恋活・婚活にあまり本気ではないと判断されても仕方がありません。マッチングしたあとにお互いが話題で困らない程度にはきちんと自分の興味関心などをハッキリ書いておくことが大事です。
自分のプロフィールだけでなく、相手のプロフィールを丁寧に読むことも大事です。文章というのはその人の性格や人柄が如実に表れます。プロフィールをきちんと読み込むことでどんな人かがだいたい分かります。
まじめな人が書く文章は自然と丁寧でやや堅い内容になりがちですし、注意散漫な性格の人は誤字脱字が多くなりがちです。プライドが高い人はじぶんの実績について長々と書いているかもしれません。頭が良くて思いやりのある人なら、適度に段落分けをしたり絵文字を入れて相手が読みやすいように文章を書くものです。ちゃんとプロフィールを読めるようになれば、その人がどんな人かを理解できるので、変な人と会って時間を無駄にすることもありません。
わたしの妻のプロフィールを見たときの印象は自己紹介文の内容がかわいらしいと思ったことでした。特に覚えているのは、憧れのデートの内容として「深夜に一緒にコンビニに行ってアイスを買いたい」と書いてあったことです。深夜に出かけてアイスを買っちゃうちょっとした背徳感と、それを恋人と一緒にふたりで体験することの特別感。深夜のコンビニデートがしたいという感性に共感を覚えるとともに、日常の生活を楽しめる良い人なんだろうなと思いました。
出会う人すべてに敬意と思いやりを
相手への敬意と思いやりの気持ちを大事にしてください。これはアプリに限った話ではなく人間関係全般に通じることだと思いますが、個人的に一番大事にしていたことなので念入りに伝えたいです。
アプリを利用していると、様々な人と会って話をすることになります。アプリで知り合う人たちの多くは週に1日や2日しかない貴重な休みの時間をつかって自分に会いに来てくれます。その日のためにおしゃれをして、場合によっては遠方から時間をかけてやって来てくれることもあるでしょう。しかも将来の恋人や結婚相手になるかもしれないという真剣な思いでその場に来てくれているわけです。
実際に会ってみないとお互いの相性は分かりませんが、貴重な時間を割いて真剣な思いでやって来てくれているのですから、ふたりで会う時間を有意義なものにできるよう努力するべきです。少なくともわたしは常にそう心がけていました。おかげで婚活は自分を大きく成長させてくれる良い経験でした。
恋人や結婚相手を探すというのはとてもエネルギーがいることです。相手のことを深く知る必要があるし、自分のことを相手によく知ってもらう努力もしなければなりません。「相手を知る」、「自分を伝える」。簡単なように聞こえるかもしれませんが、実際にはとても難しくて、初めからこれが上手にできる人なんていません。
自分はどういうことが好きで、何を頑張っているのか、何を大事にしているのか。そういったことを自分なりの言葉で伝えてみてください。必ずしも上手にプレゼンする必要はありません。たどたどしい言葉でも、伝えようという気持ちがともなえば相手も理解しようとしてくれます。
相手が自分の話をするときも、ただなんとなく聞くのではなく、相手が話しやすいようにサポートをしてあげたり、より深く理解できるように自分から相手に質問をしてみましょう。仕事や趣味、休日に何をしているのか、家族関係はどうなのか、幼少期をどう過ごしたか。定番の話題なので婚活を続けていると話し飽きている人もいるかもしれません。それでもお互いを知るうえでこれらの話題はとても役に立ちます。
お互いのことをよく知ろうとして話した時間はとても有意義になるはずです。特に結婚観や自分の幼少期、家族の話などは、友人にもなかなか話す機会がないものです。ふだん仕事で会うひとたちにも自分の好きな趣味の話はなかなか言えないかもしれません。しかし、婚活中に出会った人には、自分の内面について深く話すことができます。自分のことを話すのは恥ずかしかったり、勇気がいるかもしれませんがぜひ一歩を踏み出してください。懸命に恋や結婚に向き合った末には必ず成長した自分がいるはずです。応援しています。
結婚・夫婦の暮らしについての記事
結婚式や前撮り、結婚指輪の購入などウエディングに関連する記事も書いています。
→ 結婚カテゴリーの記事一覧 – 神戸ファインダー
そのほか夫婦の暮らしの記事もあるので興味のある方はあわせてご覧ください。
コメント